【第3弾】世界のコーヒー産地を巡る旅、世界最大の”オーガニックコーヒー大国”ペルー

Uncategorized

どーも!セシモンです。

「世界のコーヒー産地を巡る旅」、第1弾のブラジル、第2弾のコロンビアに続いて、今回は南米大陸を北上してペルーにやってきました。

実は僕、子供の頃からずっと部屋にマチュピチュの写真が飾ってあったんです。なぜウチにあったのか、今もって謎のままなんですが(笑)、当時は完全にスルー。「へー、山の上に遺跡があるんだ」くらいの感想しかありませんでした。

それが今回、ペルーのコーヒーを調べていくうちに、いつの間にか「死ぬまでに一度は行きたい場所」リストの上位に躍り出てしまいました。バリスタを学ぶためにオーストラリアに飛んでそこから海外にハマり、

ずっと壁に貼ってあったあの写真が、まさか30年越しにコーヒーを入り口にして自分ごとになるとは思ってもみませんでした。人生、興味の種って意外なところに転がっているものですね。一度はマチュピチュとナスカの地上絵は見たいものです!!

ペルーってどんな国?

正式名称はペルー共和国。南米大陸の太平洋側に位置し、エクアドル・コロンビア・ブラジル・ボリビア・チリと国境を接する、南米で3番目に広い国土を持つ国です。首都はリマ。日本の約3.4倍の広さに、約3,300万人が暮らしています。

言わずと知れたマチュピチュ遺跡やナスカの地上絵で観光大国のイメージが強いですが、実はコーヒーの世界でも独自のポジションを築いている、いわば”縁の下の力持ち”のような生産国。それが「量より質」、そして「オーガニック」というキーワードです。

なぜペルーはオーガニック大国になったのか ― 逆転の歴史

コーヒーがペルーに伝わったのは1700年代。中南米諸国よりも早い時期に、カリブ海系の品種が持ち込まれたと言われていますが、詳しい経緯は実ははっきりしていません。導入から100年ほどかけて全土に広がり、小農家が自分たちの小さな畑で栽培する形が定着していきました。

20世紀初頭には、イギリスが対外債務の返済としてペルーの土地200万ヘクタールを取得し、大規模プランテーション化が進んだ時期もありましたが、二度の世界大戦後に土地は数千の小規模農家へ再分配。1970年代には協同組合が生産の8割を管理する体制が確立します。

そして1980年代、コーヒー価格の暴落と政情不安で産業は大きな打撃を受けます。ここからがペルーコーヒーの面白いところ。1990年代、世界的に*エシカルコーヒーの潮流が高まる中、ペルーの小規模農家には「化学肥料や農薬を買うお金がない」という現実がありました。ところがこの経済的な制約が、皮肉にも「自然な有機栽培」という強みへと転じたのです。ペルー政府と生産者はオーガニック認証への投資を進め、品質向上とインフラ整備を両立させていきました。

※エシカルコーヒー・・・生産者の生活や労働環境、そして地球環境に配慮して作られたコーヒーのこと

その結果、ペルーは現在世界最大のオーガニックコーヒー輸出国、そしてメキシコに次ぐ世界第2位のフェアトレードコーヒー供給国という地位を確立しました!パン職人時代、無添加でフランスパンを作っていたのを思い出します。

産地ガイド 〜北部3県が支えるオーガニック生産〜

ペルーの25県のうち15県でコーヒーが栽培されていますが、なかでも重要なのが北部のカハマルカ県・アマゾナス県・サン・マルティン県。この北部3県だけでペルー産コーヒーの6〜7割を生産しており、この地域のコーヒー農園は特にオーガニック栽培に力を入れていることで知られています。標高はおおむね800〜2,000mと幅広く、産地ごとに個性が出るのも特徴です。

北部以外では、フニン、クスコ、アヤクチョ、そしてチチカカ湖で有名なプーノなども主要産地。人気の高い産地としては、標高1,300mのエルパルゴ山脈(ビターチョコレートのような甘みと苦みが特徴)や、標高1,500〜1,600mのチャンチャマイヨ渓谷(スパイシーな香りと濃厚なコク)が挙げられます。

栽培されているのはアラビカ種のみ。ティピカ種が約7割、カトゥーラ種が約2割を占め、中南米では珍しく古くからの在来種ブルボンやティピカが今も多く残っているため、スペシャルティコーヒーファンの間ではひそかなブームになっています。

味わいの傾向としては、クリーンでやわらかな酸味、優しい甘さ、すっきりとした後味。南米らしいナッツ感、軽やかなコクもありつつ、苦みにクセが少なく飲みやすいのが魅力です。標高の高いエリアで育った豆はゆっくり成熟する分、甘みと酸味がぎゅっと凝縮されるとも言われています。浅煎りにすれば柑橘系の爽やかさ、深煎りにすればチョコレートのような濃厚さが際立つので、ブレンドのベースとしても優秀です。

オーガニック雑学コーナー

① 農家の85%が3ha以下の小規模農園、ほぼ手作業の有機栽培

ペルーには約22万世帯のコーヒー農家がいると言われ、そのうち85%が3ヘクタール以下の小さな畑を、ほとんど手作業の有機栽培で営んでいます。日本に輸入されるペルー産コーヒーの多くも、こうした小規模農園によるオーガニックコーヒーです。大規模な機械化ではなく、無数の小さな手仕事の積み重ねがペルーのオーガニックを支えているんですね。

② 世界最高品質の肥料は「鳥のフン」

有機栽培を語るうえで外せないのが「グアノ」。海鳥の糞が化石化してできた天然肥料で、ミネラル分が非常に豊富です。カハマルカ県の銘柄「アルパカ」など、多くの農園がこのグアノを化学肥料の代わりに使っており、柔らかい酸味とラウンドな口当たりを生み出すおいしさの秘訣とされています。自然の恵みだけで土を育てるという、ある意味もっとも原始的で、もっとも贅沢な農法かもしれません。
※鳥の糞の化石肥料というのもオーガニック感が凄いと思う!何より、コーヒーの畑ではリン、窒素、カリウムは必須ですからね!!

③ 「有機JAS」と「USDAオーガニック」、二重認証の農園も多数

日本で「有機」「オーガニック」と表示するには、有機JAS認証の取得が必須。ペルーの農園には、この有機JASとアメリカのUSDAオーガニック、両方の国際認証を取得しているところも多く、化学薬品に頼らない栽培が徹底されています。さらにフェアトレード認証もあわせて取得する協同組合が多く、「有機×フェアトレード」の二重プレミアムで農家の収入を安定させる仕組みが整っているのも、ペルーコーヒーの大きな特徴です。

※コンビニやマクドナルドでもカップに一時期載っていたカエルのマークもレインフォレスト・アライアンスっていう自然を大切にしている環境で作られた農作物ですって意味があったりするから面白い。

④ “幻の鳥”の名を持つオーガニックコーヒー「Tunki(トゥンキ)」

プーノ県サンディア渓谷で栽培される「Tunki(トゥンキ)」は、この渓谷に生息する幻の野鳥の名前に由来する100%オーガニックコーヒー。ボリビア国境近く、車はおろかバイクも通れない山道の先に農家が点在するという、まさに秘境の産地です。2009年にニューヨークで開催された世界品評会で2位を獲得し、「パナマのゲイシャのようなフローラルな香り」と審査員を驚かせたという逸話も。イナンバリ農協は国内品評会でも11回中7回優勝という実力派です。

⑤ 2010年、アメリカの品評会で世界一に

2010年、全米スペシャルティコーヒー協会(SCAA)の品評会でペルー産コーヒーが1位を獲得。これを機に、ペルー国内でスペシャルティコーヒー栽培への注目が一気に高まりました。

セシモンおすすめのオーガニック農園・生産者団体

コーヒー農園を語るとき、僕はどうしてもパン屋時代の「原料へのこだわり」の感覚を思い出してしまうのですが、ペルーはまさに”顔の見える生産者“が多い国。オーガニックにこだわる3つの産地を紹介します。

① APROCASSI(アプロカッシ)/銘柄「アルパカ」 カハマルカ県サンイグナシオ市・ハエン市、エクアドル国境近くの標高1,400〜1,800mで生産。有機JASオーガニック認証を取得し、組合の農業技師の指導と海外バイヤーからのフィードバックを取り入れながら、安定した品質のアラビカを作り続けています。グアノ肥料が生む、柔らかい酸味とラウンドな口当たりが持ち味。

② CENFROCAFE(センフロカフェ) 1999年設立、約2,000の農家が加盟するカハマルカ県の生産者組合。フェアトレードと有機の二重認証を取得し、収穫期の資金提供やトレーニングを通じて農家の生活を支えています。自前の品質管理ラボを持つなど、組織としての本気度が伝わってくる産地です。

③ イナンバリ農協(Tunki/トゥンキ) プーノ県サンディア渓谷、標高1,400〜1,900mの秘境で、約400名の小規模生産者が100%オーガニックで育てるコーヒー。オレンジやプルーンのようなフルーティさと、キャラメルを思わせる甘さのバランスが魅力です。近代化から取り残されたような土地だからこそ守られている味、というのがロマンを感じさせます。

日本人の飽くなき職人魂!!!

ペルー北部アンデス山脈東側の小さな村「アチャマル」で、日本人の高橋さんが栽培している農園があります!日本人の職人気質とチャレンジ精神が素晴らしく尊敬できますよね🎵

電気が通ったのが2009年という辺境の村で、コーヒー組合を自力で立ち上げ、品質基準まで独自に作ったというストーリーは、パン屋を辞めて半年バイクとテントで関西から東京まで旅した僕の感覚にも、どこか重なるものがあります。

ペルー 高橋 | チバコーヒーネットショップ powered by BASE 100gやさしい酸味とほのかな甘さ産地:アマゾナス州アチャマル村 / 規格:100%木陰栽培、有機栽培 / 品種:カティモ base.chibacoffee.jp

900円 チバコーヒーネットショップで購入する

Amazon.co.jp

おわりに

ブラジル、コロンビアという生産量トップ2の”王道”を巡ってきたこの連載ですが、ペルーはちょっと違う魅力を持つ国でした。量よりも「オーガニック×フェアトレード」という質の追求、そして秘境と呼ばれる土地に息づく小規模生産者たちのストーリー。一杯のコーヒーの向こうに、こんなに濃い人間ドラマが詰まっているとは、ペルーを調べるまで正直知りませんでした。

そしてマチュピチュ、やっぱり一度は行かなきゃな、と本気で思っています。

次回の第4弾もお楽しみに。ではまた!


タイトルとURLをコピーしました