どーも!セシモンです。
「世界のコーヒー産地を巡る旅」も気づけば第4弾。
ブラジル、コロンビア、ペルーと南米を旅してきましたが、今回も南米つながりでボリビアに行ってみたいと思います。
さて、ボリビアと聞いて真っ先に浮かぶのはやっぱりあそこですよね。そう、ウユニ塩湖。
まずは雑学から。ウユニ塩湖が「幻想的」な理由
ウユニ塩湖、行ったことはなくても写真は絶対見たことあるはずです。
雨季になると薄く張った水面が鏡のように空を反射して、地平線がどこにあるのか分からなくなる。あの「天空の鏡」って呼ばれるやつですね。
面白いのが、この現象、雨季にたまたま起きる一時的なものだということ。「世界で最も平らな場所」と呼ばれてもいるそうです!
雨が降って薄く水が張ると、波が立たないほど水面が薄いので、蒸発するまでのごく短い間だけあの奇跡みたいな鏡面が出現する。常にああいう景色が広がっているわけじゃなくて、期間限定の自然現象だったんですね。白いあの景色も幻想的ですが。
あと、この前「ANOTHER SKY」の過去編で森七菜さんがご出演されていたボリビアのところでも出てましたね。塩で作られたホテルもあるから泊まってみたいものです(笑)
そしてもう一つ、アニメ好きの間では「ウユニ塩湖、アニメのOP・EDに使われがち」というのがちょっとしたあるあるになってるらしいです(笑)。
水平線と空のあの神秘的な映像表現にぴったりなんでしょうね〜
一度見たら忘れられない景色というか、綺麗な景色と感動シーンは合うので間違いない!
そんなウユニ塩湖があるボリビア、僕も死ぬまでに一度は行ってみたい場所の一つです。前回のペルー編でマチュピチュへの憧れを語りましたが、南米にはこういう「一生に一度は」って思わせる景色がまだまだ眠ってるんだなと、記事を書きながら改めて実感してます。
そんなボリビアが、実はコーヒーの隠れた名産地
観光地のイメージが強いボリビアですが、実はしっかりコーヒーも作っています。ただし、世界的に見るとその生産量はかなり小さくて、世界シェアは1%以下。
※ついでに日本のコーヒー生産量は、世界全体から見ると実質0%(0.001%未満)です。
ブラジルやコロンビアと比べると本当にささやかな規模ですが、その分「知る人ぞ知る」感の強い豆でもあります。
・産地はラパス県ユンガス地方
ボリビアのコーヒー生産の9割以上が集中しているのが、首都ラパスの近郊にあるユンガス地方。アイマラ語で「暖かい土地」を意味するこの地域は、アンデス山脈の東斜面、標高1,200〜2,300mあたりに広がる熱帯・亜熱帯の山岳地帯です。
ラパスから車で3〜5時間、しかもかつて「世界一危険な道」と呼ばれたユンガス街道を通ってようやくたどり着くという、なかなかハードなアクセス。
中でもカラナビ県は「ボリビアコーヒーの首都」とも呼ばれる国内最大の生産地。火山性の肥沃な土壌の上で、伝統的な有機栽培によってフルーティーな甘みと明るい酸味を持つ高品質なコーヒーが育てられています。
・品種と味わいの特徴
ボリビアで多く栽培されているのはティピカ種。精製方法は地域によって差はあるものの、ウォッシュド(水洗式)が主流で、これがすっきりとした後味につながっています。
浅煎りにすると柑橘系の華やかな酸味とナッツのようなフレーバーが同居する、複雑で表情豊かな味わいになるそうです。個人的にはこの「酸味とナッツ感の同居」ってなかなか珍しい組み合わせだなと感じていて、ブラジルとコロンビアの間のような味わい、、、わかる人にはわかってもらえたら(汗)
ボリビアを代表する農園「アグロタケシ」
ボリビアのコーヒーを語る上で絶対に外せないのがアグロタケシ農園です。標高5,850mのムルラタ山を一望できる、世界でも有数の標高に位置する農園で、その名前は現地の言葉で「人々を目覚めさせる」という意味を持ちます。ムルラタ山からタケシ渓谷へと続く、インカ時代から残る小道にちなんで名付けられたそうで、「天空の農園」という異名もあるほど。
この農園、ヤナカチ村という村でコーヒー栽培をしているのがアグロタケシ農園だけという、かなり特別な存在です。
標高が高いぶんコーヒーチェリーがゆっくり熟していくのが特徴で、一般的には花が咲いてから完熟するまで6〜8ヶ月ほどと言われる中、アグロタケシ農園では10〜11ヶ月もの時間をかけます。
それだけ時間をかけて完熟するからこそ、糖分をたっぷり蓄えた密度の高い、凝縮された味わいが生まれるんですね。中でもゲイシャは、ジャスミンのような華やかな香りとフルーティーな甘さ、透明感のあるクリーンな味わいで世界中のバイヤーから注目される、ボリビアコーヒーの顔とも言える存在です。
実は僕も、昔まだ関西に住んで大阪のラグジュアリーホテルで働いていた頃、このアグロタケシ農園のゲイシャを飲んだことがあります。大阪の行きつけの倉庫のようなカフェで1杯を。
あの時の衝撃は今でもはっきり覚えていて、ジャスミンのような香りがふわっと広がった瞬間、「コーヒーってここまで人を感動させる飲み物なんだ」と本気で驚かされました。
それまで自分の中にあった「コーヒーの味の物差し」が一気に更新された、そんな一杯でした。世界中のロースターがこぞって買い付けたがるのも納得の完成度で、ゲイシャ好きなら一度は飲んでおくべき銘柄だと思います。
ちなみにボリビアには他にも、ゲイシャで高い評価を得ているカルロス・イトゥラルデ農園など、小規模ながら実力派の生産者が点在しています。生産量自体は世界的に見て小さい国だからこそ、こうした「一点もの」感のある農園コーヒーに出会えるのが、ボリビア産の面白さなんだと思います。
コーヒーとコカ、隣り合う二つの作物
ここでちょっと重い話も一つ。
ボリビアのコーヒー農園の話をすると出てくるのがこの「コーヒーとコカ。
ユンガス地方ではコカの栽培も合法で、高山病に効くとされるコカ茶は地元で日常的に飲まれています。ただ最近は、経営が苦しいコーヒー農家の中には、
コーヒーより栽培しやすく高値で売れるコカ栽培に切り替えるところも増えているそうです。
「アプロカフェ農協」のように、49の小規模農家が加盟してビオラティーナ有機認証や国際フェアトレード認証を取得し、品質向上とフェアな取引に取り組んでいる組合もあります。
決して恵まれた環境ばかりではない中で、それでも上質なコーヒーを作り続けている生産者がいる。
ペルー編でも似たようなことを感じましたが、南米のコーヒー生産地を調べるたびに、一杯のコーヒーの向こうにある背景の重みを思い知らされます。
僕の中の「感動した景色ベスト3」とウユニへの憧れ
コーヒー産地からは少し話が逸れますが、旅の話ついでに一つ。僕がこれまで訪れた場所の中で、三本の指に入るくらい感動した景色があります。それがオーストラリアのウルル(エアーズロック)。
無限に広がる空と、そこにぽつんと浮かぶように立つ巨大な一枚岩。あの何もない、でも何かに満たされているような空間の感覚は、今でも脳裏にはっきり焼き付いています。
言葉にすると陳腐になっちゃうんですけど、「圧倒的な自然の前で人間ってちっぽけだな」って心から思えた、数少ない体験でした。
ウユニ塩湖の写真を見るたびに、あのウルルで感じた感覚に近いものを勝手に想像してしまいます。地平線しかない場所、空しかない場所。人工物が何もない中で、自分と自然だけが向き合う瞬間って、旅の中でも特別なものだと思うんですよね。
ボリビアはまだ行ったことがないですが、コーヒーを調べていたらますます行きたくなってしまいました。いつか塩湖に立って、空に浮かんでいるみたいな感覚を味わってみたいです。
まとめ
ウユニ塩湖という圧倒的な観光資源を持つ一方で、ユンガス地方という険しい山岳地帯でひっそりと上質なコーヒーが作られている国、ボリビア。
生産量は世界的に見れば小さいですが、その分「なかなか出会えない豆」としての価値もあると思います。
もし専門店やロースターでボリビア産を見かけたら、ぜひ一度試してみてください。
さーて、次回の第5弾もまだ南米を続けるか、それとも別の大陸に飛ぶか。お楽しみに!

